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シリア情勢――終わらない人道危機 (岩波新書)
によって 青山 弘之
無料ダウンロードシリア情勢――終わらない人道危機 (岩波新書) pdf - シリア情勢――終わらない人道危機 (岩波新書)をお探しですか? この本は著者が書いたものです。 この本には351ページあります。 シリア情勢――終わらない人道危機 (岩波新書)は岩波書店 (2017/3/23)によって公開されています。 この本は2017/3/23に発行されます。 シリア情勢――終わらない人道危機 (岩波新書)は簡単な手順でオンラインで読むことができます。 しかし、それをコンピュータに保存したい場合は、今すぐシリア情勢――終わらない人道危機 (岩波新書)をダウンロードできます。
内容紹介 「今世紀最悪の人道危機」と言われ幾多の難民を生み出しているシリア内戦。「独裁」政権、「反体制派」、イスラーム国、そしてアメリカ、ロシア……様々な思惑が入り乱れるなか、シリアはいま「終わりの始まり」を迎えようとしている。なぜ、かくも凄惨な事態が生じたのか。複雑な中東の地政学を読み解く。 内容(「BOOK」データベースより) 「今世紀最悪の人道危機」と言われ幾多の難民を生み出しているシリア内戦。「独裁」政権、「反体制派」、イスラーム国、そして米国、ロシア…様々な思惑が入り乱れるなか、シリアはいま「終わりの始まり」を迎えようとしている。なぜ、かくも凄惨な事態が生じたのか。複雑な中東の地政学を読み解く。 商品の説明をすべて表示する
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2011年に始まり、今なお続く「シリア内戦」。その過程を、「(2017年3月までの)国内外の動きを可能な限り、具体的、網羅的に記述した」本。「シリア内戦」がどのようなものであるのか、を理解するためだけではなく、“中東情勢”や“国際紛争の解決は、各国のあいだに避けることができない結びつきと相互依存関係があるために、困難なものになりがちであること”を考えさせる良書。2010年の「アラブの春(チェニジアで始まった抗議デモは、他のアラブ諸国にも飛び火し、チェニジア・エジプト・リビア・イエメンでは政権退陣や体制崩壊が起こった)」の波及を警戒したシリアの「アサド政権」が、民主化要求デモに「過剰に弾圧」を加えたために、「反体制派」が「武器を手に反抗」したことが、「シリア内戦」の発端といわれる。「反体制派」は、アメリカ・サウジアラビア・トルコ・カタールなどの援助を頼り、対する「アサド政権」は、ロシア・イランなどに支援を要請した。著者は、「シリア内戦」の解決が遅れている理由として、“諸外国の介入を受けたために、「内戦」がシリアの自力で解決できる規模を超えて、拡大した”ことを指摘している。中東情勢は、①アメリカとロシアのどちらを同盟国としているか(=東西冷戦以来の図式)、という初期条件がある。それに加えて、②周辺諸国のバランス・オブ・パワー(=中東諸国は微妙な“力の均衡”で成り立っているので、どこかの国に大きな変動が起こると、周囲の国々にも必ず動揺が及ぶ)、③「武装集団」の参加(=中東の紛争には、“国家による正規軍”以外の戦闘部隊が、よく現れる)、という二つの要素によって、時々刻々と変化していくのが特徴だ。①アメリカとロシアのどちらを同盟国としているのか、でいえば、シリアはロシアと同盟関係(もとはフランスの委任統治領だったのが、1946年にソ連の軍事支援を受けて独立した)にある。ロシアにとっても、シリアのタルトゥース市にある地中海岸のロシア海軍の補給基地は、「対NATO軍事戦略において欠くことのできない前哨地」であるため、シリアは「失いたくない同盟者」なのである。②周辺諸国のバランス・オブ・パワー、では、シリアの対外方針は「反米」と「反イスラエル」であるため、「イスラエルとの軍事的均衡を維持」しようとして、「ロシアやイランの後ろ盾」を得ていた。もう一方で、ロシアやイランと敵対しているトルコやサウジアラビアなどとは友好的な関係ではない。③「武装集団」の参加、でいえば、アサド大統領やその親族はアラウィー派(シーア派の分派。シリアでの信者数は12%ほど)であるが、シリア国民の大多数(70%ほど)はスンナ派であるため、“スンナ派信者の保護”を訴える「武装集団」が、「反体制派」に加勢する動き(とはいえ、本来のシリア国民は、宗教や宗派の違いには寛容)が目立った。そして、「(反体制派を支援するために)外国人戦闘員を含むイスラーム過激派のシリア潜入を後援したのが、アサド政権の打倒に強く固執するサウジアラビア、カタール、そしてトルコだった」。対してイランやレバノンは、「ヒズブッラー」や「パレスチナ諸派」などの「武装集団」を、アサド政権支援のために派遣した。これらの「武装集団」は、中東の人々にとっては、思いのほかに身近なものである。本書によると、一般に「アラブ諸国において広く見られる」団体に、「人民諸委員会」と呼ばれる「若者など住民が各街区、学校、職場などで自発的に組織・運営する互助団体」があるのだが、これらの団体が“民兵や自警団などの母体”になるなど、「武装集団」が結成されやすい土壌が中東にはある。それに、宗派を訴えるのも“信仰心”というだけでなく、「イスラーム教を唱道する方が、資金(宗派を同じくする信者たちからの「義援金」など)や武器を得られやすいという実利的な判断」によるものであったり、戦況によって「離合集散」をするなど、それぞれの「武装集団」の動きを捉えるのは、(本書ではよく調べてあるが)困難なところがある。この「シリア内戦」に対して、オバマ大統領はアメリカのプレゼンス(国外で示される、軍事・経済の影響力)を要所ごとに示そうとしたが、そのたびに「直接の軍事介入」を行なわなかったために失敗した。「反体制派」の主要な武力は、アメリカからの「直接の軍事介入」という支援が無かったので、外国人による「武装集団」と、その中に混入していた「イスラーム過激派」に頼っていた。このことは、①「イスラーム国」の出現(反体制派側についていた「武装集団」の一派である「ヌスラ戦線」から分離して生まれた)、②「テロとの戦い」の自己矛盾(反体制派側にとっては、「アル=カーイダ」系などの「イスラーム過激派」も主力戦力の一部になっている)、③「停戦合意」の無効化(アサド政権は「テロとの戦い(=イスラーム過激派に対する戦い)」を口実に、「反体制派」を攻撃し、「内戦」が終わらない)、という事態をもたらした。そして、オバマ大統領のもう一つの失敗は、同盟国であるトルコが離脱したことだ。2016年12月に、トルコは(アメリカ抜きで)ロシアと一緒になって、「反体制派」と「アサド政権」との間に「停戦合意(アサド大統領によって、後に破棄された)」を締結させてしまった。トルコとしては、“ロシアと対峙するプレッシャー”に立ち向かっていたつもりであったのに、オバマ大統領が冷淡だった(2016年7月のトルコの「軍事クーデター未遂」事件に対する、エルドアン大統領の処置を批判)ように思えたことと、アメリカが「イスラーム国」に対する実戦部隊として「クルド人武装勢力」に頼ったことが、トルコの「安全保障」に抵触した、と感じたためだ。トルコには、「武装闘争を通じて(トルコから)分離独立を目指していたクルディスタン労働党(PKK)をテロ組織と位置付け、その存在を国家安全保障上最大の脅威」と見なしている、という事情があった。今後アメリカが、シリアに対してどのように距離をとっていくのかは分からない。しかし、中東に対するアメリカのプレゼンスを維持していくためには、“アメリカのための重要な同盟国をよく選び、その国と協力していくこと”以外の方法はないだろう。これからの“中東情勢”を考えるときの、参考になる本だった。
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